マスク着用が呼吸全体に悪影響を与えている
我が国では、新型コロナパンデミックの影響で普段からマスクをする習慣がすっかり定着してしまいました。
マスクは、コロナ感染予防に効果がほとんどないことが改めて分かってきましたが、多くの国民が未だにマスクを着用して生活しています。
あまり意味がなくても、皆がしているからなんとなく一目を気にして外せない人が大半ではないでしょうか。
しかし、マスク着用が呼吸全体に悪影響を与えていることをご存じでしたか?
特に睡眠時無呼吸症の方が、マスクをし続けることはお勧めしません。
マスク越しの呼吸により、身体に取り込める酸素の量が減り、逆に口呼吸が増えることになるからです。
その結果、いびきや日中の倦怠感など呼吸困難の症状がさらに悪化する可能性があることが示唆されています。
日常生活でマスクを常時着用することのリスク
マスクの装着はほとんどの人にとって不快かと思いますが、気持ちの問題だけではありません。
睡眠時無呼吸症・健常者関係なく、長時間のマスク着用は、どのようなリスク上昇につながるのでしょうか?
1)皮膚への刺激増加
マスクを常時装着していると、特に鼻や口の周りに皮膚刺激が起こることがあります。この刺激は軽度から重度まであり、赤み、かゆみ、不快感などを伴うことがあります。
2)細菌やウイルスの感染拡大
マスクを着用すると、湿気がこもり、細菌やウイルスの温床になります。その結果、ニキビなどの皮膚感染症や真菌感染症につながる可能性があります。
細菌やウイルスによる感染を防ぐために着用しているのに、逆に感染拡大の原因になっているとは・・
3)口呼吸の増加
マスクを着用していると空気の流れが減少するため、当然の結果として口呼吸が多くなります。
また呼吸が制限され、息切れやめまい、頭痛、脱水症状の原因になることがあります。
4)汚れた空気を吸い込む
マスクを着用していると、マスク内の空気が悪くなり、ほこりやごみなど悪い空気を吸い込みがちです。また、目や鼻、のどを刺激することがあります。
長時間のマスク着用は、口呼吸を増やす
睡眠時無呼吸症候群の人にとって、上記に挙げた3番目の「口呼吸の増加」は特に大きな問題です。
マスクで鼻まで覆うため、鼻腔への空気の流れが制限されてしまいます。
すると、鼻で快適に呼吸できないので、苦しくなって代わりに口で呼吸するというわけです。
また、暖められた湿った空気が入りやすいので、気道温度の上昇し、口呼吸になることが指摘されています。
結果として、マスク着用により気道抵抗が増加し、酸素濃度の低下が発生します。いわゆる酸欠状態です。
さらに、マスク越しの呼吸は余計な労力が必要なため、体にも負担となり、疲労度の上昇につながる可能性があります。
マスクの着用が口呼吸につながることを示唆する研究も各国で実際にいくつか行われています。
エビデンスはまだ限られていますが、どの研究も「マスクの着用が口呼吸が増加させる可能性がある」と結論づけています。
口呼吸のリスク改めて説明すると
『鼻呼吸と口呼吸の違い』
改めて口呼吸のデメリットを簡単におさらいしてみましょう。
1)睡眠の質が悪くなる
口呼吸は正常な睡眠サイクルを乱し、睡眠の質を低下させる原因となります。
2)口の乾きによる口臭、歯周病の原因
口呼吸は、口の乾燥を招き、口臭や不快な味覚の原因となります。
3)免疫力低下と感染症のリスク増加
慢性的な口呼吸は、唾液の不足により、免疫力が低下し、感染症や脱水症のリスクを高める可能性があります。
4)集中力や認知機能の低下
慢性的な口呼吸は、体内の酸素濃度を低下させることがわかっています。
体内の酸素が不足するため、集中力の低下やだるさの原因となることがあります。
さらに進めば、認知機能の低下を招くことがあります。
5)喘息やアレルギーを悪化させる
口呼吸は、肺に入る大気汚染物質の量を増加させるため、喘息やアレルギーを悪化させる可能性があります。
そもそも、大前提として、口は呼吸する器官ではありません。
口呼吸の健康被害については、サイト内「口呼吸が睡眠時無呼吸症の原因?のどが乾燥して免疫力も低下する」に詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
マスクの着用による口呼吸は、無呼吸症候群を悪化させる
このようにマスク着用は口呼吸を増やし、無呼吸へ悪影響を与えることがわかりました。
マスク着用 ⇒ 口呼吸増加 ⇒ 睡眠時無呼吸症候群の症状悪化
普段からマスクをすることが定着し、マスクの下では口呼吸の習慣化されているので、口を開いて寝ることがすっかり日常になってしまったという訳です。
従って、止むお得ない場合を除き、睡眠時無呼吸症の症状にも悪影響を与えるマスクを早く卒業しましょう。
マスクを外して、思いっきり新鮮な空気を吸いましょう!