閉経後の更年期以降の女性に睡眠時無呼吸症候群が増える理由は、女性ホルモンの減少が関係しています。

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50歳以上の女性において睡眠時無呼吸症候群が増加する

一般的に、睡眠時無呼吸症候群は、40〜60歳くらいの太った男性が多いイメージがあります。


理由は、男性は首周りの脂肪の割合が、女性より高い傾向があるそうで、肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因になります。


ただし、女性も年代によっては罹患率が上昇する傾向にあります。

女性も年代によっては睡眠時無呼吸症の罹患率が上昇する
【更年期以降は睡眠時無呼吸症になる確率が上昇】


更年期以降の50代〜60代では女性も多く、高齢層になると男女差はそれほど多くはなくなります。


無呼吸症の男女比はほぼ、同等と指摘する専門家もいます。


では、なぜ50代以降、女性の睡眠時無呼吸症候群者が増えるのでしょうか?


それは、閉経後に訪れる女性ホルモンの減少が、深く関係しているのです。

エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモン

女性の健康は、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンの影響を大きく受けています。

排卵前..エストロゲン(卵胞ホルモン)

排卵後..プロゲステロン(黄体ホルモン)


エストロゲンは、排卵を誘発するだけでなく、女性らしさを形成、生活習慣病の予防効果など、健康維持に重要な役割を果たしています。


女性ホルモンのもう1つであるプロゲステロンは、着床と妊娠維持に妊娠を維持する役割があり、黄体ホルモンとも呼ばれています。


妊娠をしない限り、これらの周期は繰り返されます。


エストロゲンの分泌
【女性ホルモンの分泌量の変化】

画像引用:https://goo.gl/Y9Sf9k


思春期を迎えるにつれエストロゲンが上昇し、20代でピークに達します。


しかし、閉経後の更年期以降、このエストロゲンが急激に減少してしまいます。


このエストロゲン分泌の減少が、女性の睡眠時無呼吸症候群増える原因と言われているのです。


女性ホルモンの減少は更年期以降の睡眠時無呼吸症の増加に関係

先程も、お話しましたがエストロゲンは生活習慣病の予防も兼ねた重要なホルモンです。

【エストロゲン生活習慣病の予防効果】


・内臓脂肪の分解促進

・コレステロールの代謝促進

・インシュリンの感受性促進

・尿酸の排出促進

・骨吸収の抑制など


女性が更年期を迎えると、閉経後の卵巣機能低下にともない、卵巣から分泌されるエストロゲンが急激に減少し、規則正しい分泌がなくなります。


すると、体の中のホルモンバランスが乱れ、自律神経の調節も乱れることになります。


そして、更年期特有のほてり・のぼせ・冷えなど体にさまざまな不調が現れるわけです。

 

更年期特有のほてり・のぼせ・冷えなど体にさまざまな不調が現れる
【更年期を迎えるとエストロゲンが急激に減少する】

 

さらに、エストロゲン減少で、脂肪が付きやすくなったり、骨の形成が追い付かなくなったり悪影響がでます。


それが、肥満や体重増などによる首周りの脂肪増加や骨吸収による顎の縮小化につながり、睡眠時無呼吸症候群増える要因になるのです。



また、もう一つの女性ホルモンではるプロゲステロンには、上気道の筋肉活動を高める作用があります。


閉経によるホルモンバランスの変化が、筋肉の弛緩や加齢による筋力低下と相まって、睡眠中の舌根の沈下へとつながります。


女性ホルモンの減少は更年期以降の睡眠時無呼吸症の増加に関係
【女性ホルモンの減少により睡眠時無呼吸症が発症しやすくなる】


このように、2つの女性ホルモン「エストロゲンとプロゲステロンの減少」が、睡眠時無呼吸症候群が発症しやすくさせるのです。


専門機関によれば、閉経後では閉経前と比べて睡眠時無呼吸症の発症率が、約3倍にもなるというデータも報告されています。


さらに、男性の場合よりも女性の眠時無呼吸症候群の方が、重症化しやすい可能性もあると指摘されています。

更年期障害と睡眠時無呼吸症候群が症状が似ている

更年期障害は、疲労感、うつ、頭痛、口の渇き、日中の眠気などが現れますが、睡眠時無呼吸症候群の症状もまた、同様の症状が存在します。

睡眠時無呼吸症候群の症状も更年期症状と似ている
【更年期障害と睡眠時無呼吸症候群が症状が似ている】


従って、更年期症状と似ているのでまさか自分が無呼吸であると気づきにくく、見過ごしてしまうことも多いようです。


実際、女性はいびきについて家族や友人から指摘される機会が少ないといえます。


また、いびきや無呼吸を言われたとしても、恥ずかしがったり、忙しさを理由に病院へ行きたがらないことも事実のようです。


しかし、放置しておくと、睡眠時無呼吸症候群の症状を重くしてしまうリスクが高まる可能性があります。


急に体重が増えて太り始めたら危険!眠時無呼吸症候群を疑うべき

さらに、閉経期を迎えた女性で、以前と比べて

・いびきをかくようになった。

・急に体重が増えて太り始めた。

・日中の眠気がひどくなった


などの症状がみられたら、眠時無呼吸症候群を疑ってみたほうがよいかもしれません

急に体重が増えて太り始めたら危険!眠時無呼吸症候群を疑うべき
【急に体重が増えて太り始めたら眠時無呼吸症候群を疑うべき】


閉経期の女性は、血液中のコレステロールが増え、動脈硬化が進む危険性も高まります


その場合、眠時無呼吸症候群に加えて、高血圧、虚血性心疾患、脂質異常症などの生活習慣病を伴う合併症を引き起こしてしまうリスクも十分考えられます。


なので、気になる方は、早めに睡眠外来や耳鼻咽喉科など睡眠の専門医へ相談することをおすすめ致します。

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