子供のいびきや無呼吸の原因!アデノイドや扁桃腺の肥大
「子供が毎日いびきをかく」
「大人のいびきぐらい音がうるさい」
「子供のいびきの音で目を覚ますことがある」
お子さんのこんな症状があったら、要注意!
小児睡眠時無呼吸症かもしれません。
子供のいびきや睡眠時無呼吸の原因の多くは、アデノイドや扁桃腺の肥大だと言われています。
アデノイドとは、口を開けると、のどちんにある扁桃組織です。
そこが肥大して大きくなることを「アデノイド肥大」と呼んでいます。
画像引用:https://goo.gl/KXZCAj
アデノイド ---鼻から喉につながるところ、いわゆる「のどちんこ」にあるリンパ組織で、咽頭扁桃とも呼ばれています。
口蓋扁桃 ---口蓋(こうがい)は、のど奥の両わきから飛び出しているように見えるリンパ組織です。
例えば、風邪などで鼻が詰まり短期間のいびきをかくことはそれほど問題ではありません。
子供のころ風邪を引くと、扁桃腺が腫れて熱が出た記憶をお持ちの方も多いかと思います。
しかし、一晩中にわたる大きいびきが数か月以上続くようなら、睡眠時無呼吸症の疑いがありますので、よく調べる必要があります。
アデノイドや口蓋扁桃がある程度以上の大きさになると、鼻詰まりが生じ、慢性化してしまいます。
一般的に、アデノイド肥大は3〜6歳、口蓋扁桃肥大は5〜7歳で最大になり、小学校高学年にかけて次第に小さくなります。
成長ホルモンの分泌は質の高い深い睡眠と関係がある
ここで、子供の成長にとって不可欠な成長ホルモンの分泌と睡眠と関係についてご説明します。
【成長ホルモンは子供の成長期に多く分泌】
画像引用:https://goo.gl/kN723N
「成長ホルモン」は、子供の成長期にもっとも多く分泌され、筋肉や骨、脳の細胞を増やします。
成長ホルモンが分泌される場所は、脳の視床下部の脳下垂体で、血管をとおって全身に行きわたります。
分泌される成長ホルモンの量は、寝始め約2-3時間の深い眠り(ノンレムス睡眠中)が最大となります。
特に、夜22時〜午前2時は、睡眠のゴールデンタイムといわれており、この時間帯に質のよい眠りを取ることが子供の成長にも良いとされています。
【時間別の成長ホルモン分泌グラフ】
画像引用:https://goo.gl/H1kN6w
なので、子供の夜更かしはNG。
昔から、「寝る子は育つ」といわれますが本当にその通りなのです。
睡眠時無呼吸症は子供の成長にも影響を与える
しかし、子供が質の良い睡眠を確保できないと成長ホルモンの分泌もうまくいかないことになりかねません。
長期間の睡眠時無呼吸が続くと、胸の中央が凹んでしまう胸郭(きょうかく)変形が生じたりすることもあるそうです。
【胸の中央が凹んでしまう胸郭変形】
また、睡眠中の成長ホルモンが十分に分泌されないため、知能の発達遅れや身長が伸びないなどの障害が出る場合もあります。
アデノイドや扁桃腺の肥大による睡眠時無呼吸をそのままにしておくと、夜間に限らず日中も口呼吸が中心となってしまいます。
鼻呼吸と違って口呼吸の習慣は、細菌やウイルスに感染しやすく、風邪を引きやすくなります。
いつも風邪を引きいて、鼻詰まりも解消されないため、ますますいびきをかく悪循環になってしまいます。
子供の睡眠時無呼吸症はどうやって調べる?
まずは、耳鼻咽喉科などの専門のクリニックで、鼻や喉の状況およびアレルギー性鼻炎や蓄膿症の有無などの診察が基本になります。
疑わしい場合は、レントゲン撮影などでアデノイド肥大や扁桃肥大などを調べてもらいます。
睡眠時無呼吸症の正確な判定には、大人同様に終夜睡眠ポリソムノグラフィーが必要となるそうですが、子供を入院させるのは不安がありますよね。
なので、最初はパルスオキシメーター簡易検査で、家での睡眠中の状況を調べることも多いそうです。
また、診断の際に家庭での睡眠時のビデオ撮影なども有効とのこと。
子供が寝ている時の、いびきの状態、口呼吸や無呼吸、低呼吸の有無、体動を観察することが判断材料になるようです。
子供のこんな症状、睡眠時無呼吸症かも!?
○目覚めが悪くなかなか起きれない
○日中いつも眠むたい
○長時間の昼寝をする
○落ち着きがない
○怒りやすい
○いつも口呼吸をしている
○夜間苦しそうな呼吸をしている
○睡眠中のいびきがうるさい
○夜中に何度も目をさます
○良くトイレに起きる
○夜尿(おねしょ)をする
アデノイド切除の手術する?しない?
風邪など症状で、アデノイドが一時的に腫れているような場合は、薬の服用や点鼻薬で症状の軽減が可能です。
しかし、睡眠時無呼吸症になるほどアデノイド肥大が慢性化しているケースは、薬よりも切除手術を選択する場合もあるようです。
画像引用:https://goo.gl/XtRFfN
手術には、一般的に1週間程度の入院が必要となります。
もちろん、学校も休まなければいけませんし、切除の手術は痛みを伴いすので、お子さんには辛いですよね。
また、切除したときのリスクも考えなければなりません。
アデノイドや扁桃腺はリンパ組織です。
扁桃腺が腫れることは、病原菌がそれ以上広まらないよう防御する免疫機能が働いていることになります。
リンパ組織を切除することは免疫機能の一部を失うことになりまるので、体の抵抗力を弱める可能性もあります。
子供の成長に安心で快適な睡眠を与えることは親の義務
毎日いびきや無呼吸で苦しい子供を見ていることは親としてとてもつらいと思います。
何より、一番苦しんでいるのは子供本人です。
確かに、手術で切除するリスクとしないリスク、難しい判断でもあります。子供の一生にかかわることですからね。
もちろん、手術をしないで経過観察やシーパップ(CPAP)で治療する選択もあります。
ネットなどで調べてもいろいろな意見、方法、体験談が出てきます。
子供の場合は特に、治療をしなければならない理由を理解させ、モチベーションを維持することが重要ですよね。
シーパップ(CPAP)治療は、大人の私でも継続できなかったのですから!
子供の成長に安心で快適な睡眠を与えることは、親の義務だと思います。
子供の将来のために、ベストな選択をしたいですよね。