寝る前スマホは睡眠時無呼吸症の悪化や不眠の原因
睡眠時無呼吸症候のためいつも眠たいという方の中には、寝る前にスマホなんて見てても全然寝れるから大丈夫という人も多いかもしれません。
しかし、就寝前のスマホは睡眠の質をさらに低下させる危険性をもっています。
つまり、睡眠時無呼吸症候の症状を悪化、加速させる原因にもなるのです。
スマホ画面の光を浴びると体内時計が狂う
人には「日光を浴びると覚醒し夜になると眠くなる」という睡眠のリズムがあります。
このリズムを概日リズム(サーカディアンリズム)と呼んでいます。
簡単にいうと体内時計ですね。
この概日リズムは、休息や睡眠に誘うメラトニンというホルモンの分泌の働きが関係しています。
体は、約24時間周期に合わせて体温、血圧、脈拍数などをコントロールしています。
脳からメラトニンが分泌されることで、副交感神経の働きが活発になり体温、血圧、脈拍数が低下して自然な眠りが訪れます。
画像引用:https://goo.gl/jEVssf
メラトニンは、強い光を浴びると分泌量が減り、反対に暗い所にいると分泌量が増えるため、人は夜になると眠くなるのです。
なので、普通の状態でいれば、ほとんど毎日同じ時間に眠たくなり同じような時間に目覚めます。
つまり、「睡眠欲求」と「覚醒」のバランスが取れることで睡眠のリズムを上手くコントロールしているのです。
寝る前のスマホで睡眠の質がさらに悪化
しかし、スマホ、パソコン、タブレットなどから発せられる光、いわゆる「ブルーライト」を夜寝る前に見すぎると脳が「昼間だ」と錯覚し、交感神経の働きが優位になることでメラトニンの分泌量が抑制されます。
すると、体内時計に狂いが生じて、脳が覚醒状態となり、眠りが浅い、寝つけないなどの睡眠障害を引き起こしやすくなります。
画面を間近で見るスマホは特に要注意で、寝る前のスマホによる睡眠障害は若年層を中心に子供から大人までに多くの悪影響を与えています。
布団に入ってからもスマホを見ている人も多いですよね。
10代、20代の世代の約70%もの人が「寝る前スマホ」による不眠症に陥っている可能性があると指摘もあります。
寝る前スマホによる睡眠障害が睡眠時無呼吸症にも悪影響
もちろん、このような睡眠障害の状況が睡眠時無呼吸症に良い影響を与えるわけがありません。
睡眠時無呼吸症はただでさえ、低酸素により脳や体が覚醒状態となり、気付かない間に脳や心臓に大きな負担を与えています。
交感神経を刺激するスマホの光を浴びることは、交感神経と副交感神経の切り替えバランスを一層悪化させ概日リズムを狂わることになります。
するとさらに睡眠のリズムや質が低下してしまい、ますます寝不足状態に陥るわけです。
寝る前にスマホなどをチェックすることはコーヒー2杯分飲んだぐらいの覚醒効果があると睡眠専門医も言っているようです。
寝る前一時間はスマホの使用を控える
睡眠時無呼吸症は、注意力や作業能率の低下を招き、生産性の悪化、ヒューマンエラーによる交通事故や重大な災害を引き起こす要因になります。
また、睡眠時無呼吸症による睡眠不足が長く続くと、疲れが蓄積し、疲労回復がはかれません。
従って、睡眠時無呼吸症の方はもちろん、「眠りが浅い、疲れがとれない」など睡眠時無呼吸症かもしれないと自覚を持っている人は、少しでも良質な睡眠を取ることを心掛けるべきですよね。
もちろん、スマホは現代生活において欠かせないアイテムとなっていますので、使わないということは難しいと思います。
なので、
・寝床から手の届かない所に置く
・見る時間を決める
・寝る一時間前は見ないいじらない
などなど、睡眠のリズムの改善のためにもスマホの使用を控える習慣をお勧めします。
どうしても見たいときは、バックライトの明かりを落として画面を少し暗めにするなど工夫すると良いですよね!