睡眠時無呼吸症候群が認知症の発症と深く関わっています。専門家によると認知者の9割が睡眠時無呼吸症候群であるとのこと。

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睡眠時無呼吸症候群が原因のリスク〜認知症

認知症の発症


睡眠時無呼吸症候群は様々な関連症状を引き起こすと言われていますが、睡眠の量や質が認知症の発症と深く関わっていることが明らかになりつつあります。


専門家のドクターの研究によれば、認知症患者の実に9割が睡眠時無呼吸症候群であったという驚くべき結果も発表されています。


まずは、認知症という病気を改めて理解した上で、睡眠時無呼吸症候群との関係をしっかり考えていきましょう。


認知症の9割が睡眠時無呼吸症候群

認知症とは?

認知症は海馬の萎縮が原因
画像引用:https://goo.gl/u2DSdX


認知症はもの忘れをはじめとした記憶や思考能力が低下していき、進行すると理解力や判断力を失ない、日常生活や社会生活が上手く送れなくなる症状です。


認知症は、脳内の「海馬(かいば)」という場所が委縮したりダメージを受けることから発症します。事実、海馬は低酸素状態にとても弱いと言われています。


やがて中核症状を元にした行動が現れ始め、本人だけでなく周りの人々にも影響を及ぼす、周辺症状が現れます。


認知症の症状とは?

認知症
認知症の症状は大きく2種類にわけられます。


1)中核症状・・脳の組織が変性し、そこから起きる主症状のこと。


例)

記憶障害・・出来事を忘れる記憶がない


失見当・・どこにいるかわからない

失語、失行、失認・・着替えができない、言葉が出てこない、言葉が理解できない

人格変化・・性格が変わる


2)周辺症状・・中核症状に付随し、本人および周りの人に影響を及ぼす行動や心理症状


例)

幻覚、妄想、抑うつ、無気力、無反応、不安・憔悴、睡眠障害、介護抵抗、徘徊、暴言・暴力、不潔行動


認知症は体験した記憶を忘れてしまう


一般的な老化による物忘れと認知症の初期症状はよく似ていますが、明らかな違いがあります。
一般的な物忘れは「体験の一部分を忘れる」ことです。

ただ、何かヒントを与えると「ああそうだった!」と思い出すことが可能です。


一方、認知症は「経験したこと」を全く忘れてしまいます


また、認知症を発症すると中核症状は、少なからず進行していくことになります。
さらに、周辺症状はその人もとの性格や生活習慣により左右されることも多いようです。

認知症の原因となる病気


認知症の原因となる病気】


認知症の原因となる病気


画像引用:https://goo.gl/v6rnTa


●アルツハイマー型認知症

認知症の原因として圧倒的に多いのが、アルツハイマー型認知症です。


脳にできる老廃物であるアミロイドβやタウという異常なタンパク質が脳に蓄積されることにより脳の神経細胞が減少し、記憶を司る脳の海馬周辺から脳が萎縮していきます。


●脳血管性認知症

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動脈硬化などの脳血管障害より起こる認知症です。アルツハイマー型についで多い認知症です。


脳梗塞や脳出血を何度か繰り返すことで脳の機能が低下し、神経細胞が死んでしまい認知症が起こります。
脳血管障害を起こすたびにその症状は進行してしまいます。


i若年性認知症

 

●レビー小体型認知症

脳にレビー小体という特殊なたんぱく質が大脳皮質に蓄積することで発症する認知症です。

実際にはないものが見える幻視や妄想などの精神症状と手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばるなどといったパーキンソン病のような症状が出ることがあります。

うつのような症状が見られたり、睡眠時に暴れたり大声で叫んだりするレム睡眠行動障害と呼ばれる症状が出る事もあります。


●前頭側頭型認知症

前頭葉や側頭葉が委縮して起こる認知症です。認知症というと物忘れや失語などをイメージずる事が多いと思いますが、前頭側頭型認知症は「同じ行動を繰り返す」など行動の異常が見られます。


前頭葉や側頭葉が委縮して起こるため、万引きや痴漢、暴力などの人格の変化や、異常行動が見られるのが特徴で、今まで送ってきた日常生活の常識とはかけ離れる行動などが現れます。



認知症の患者数

画像引用:https://goo.gl/u8Wp1h


現在、認知症と診断される高齢者の数は約400万人。さらに認知症予備軍の約400万人を合わせるなんと約800万人もの人が認知症の問題を抱えています。


睡眠時無呼吸症候群が認知症の発症に関わっている

アルツハイマー型認知症

 

先程も説明しましたが、アルツハイマー型認知症は「アミロイドβ」や「タウ」といったたんぱく質が蓄積していき、この物質が神経細胞を死滅させることで発症すると考えられています。


専門家よると睡眠時無呼吸症候群が、このたんぱく質の蓄積に関わっていることが指摘されています。

睡眠時無呼吸症が認知症の発症に関わっている


本来、脳には、アミロイドβのような有害な物質を除去して脳機能を保つ働きがあります。その役割を担っているのが睡眠です。2013年にアメリカのワシントン大学の研究班が「JAMANeurology」誌に発表した論文によると、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかりました。また、実験的に24時間覚醒を続けると、通常の睡眠をとった場合と比べてアミロイドβが増加したといった研究結果もあります。


このアミロイドβの蓄積は、認知症発症の20年以上前から始まっているといわれています。久留米大学病院精神神経科教授の内村直尚医師はこう話します。


「人は眠ることで脳内の老廃物を排出し、脳のメンテナンスをしています。慢性的な睡眠不足で老廃物が長期間にわたって蓄積すると脳の機能が低下し、認知症を発症すると考えられるのです」

文章引用:https://goo.gl/QKEfGp


事実、睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸や低呼吸状態が続くことで血中酸素濃度低下が繰り返され、脳内も低酸素状態になります。


専門家の研究報告によれば、脳に低酸素ストレスを与え続けるとアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβタンパク質が増えるといわれています。


脳に低酸素ストレスを与え続けるとアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβタンパク質が増える


また、不自然にいびきがうるさい人や睡眠時に呼吸が不規則になる人は、記憶障害や思考力の低下を引き起こすリスクが高いことも指摘されています。


睡眠時無呼吸症候群の人が認知症を発症しやすいことは、こうしたデータの裏付けからもはっきりしています。


睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質と量を低下させる

睡眠の質と量が低下

 

実際、厚生労働省の「国民健康栄養調査」によれば一日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は約40%です。


さらに、睡眠時無呼吸症候群の人はさらに睡眠の質と量が低下していることが言えますよね。


睡眠負債という言葉通り、無呼吸による睡眠のリスクは長い時間を掛けて徐々に蓄積されていき、脳にも悪い影響を与えることです。

無呼吸による睡眠のリスクは長い時間を掛けて徐々に蓄積されていき、脳にも悪い影響を与えるこ


こうしたことから、睡眠時間を十分に確保し、質の良い睡眠をとることは非常に重要です。


認知症を発症してからでは睡眠時無呼吸症候群を改善させることは難しくなります。
認知症予防のためにも睡眠時無呼吸症候群を改善することを心掛けたいですよね!

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