増え続ける患者数!睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係について

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糖尿病と睡眠時無呼吸症との密接な関係

睡眠中
睡眠中に無呼吸症による低酸素状態が続くと血糖値をコントロールするインスリンの働きが悪くなることが徐々に明らかになってきました。


この「無呼吸症とインスリンの機能低下」という事実により、睡眠時無呼吸症候群が糖尿病と密接な関係があることが注目されています。


インスリンは、血液の中の糖をエネルギーに変えて、血糖を下げる働きを持つ唯一のホルモンです。
つまり、インスリンがなければ人は血糖値を下げることができません。

 

インスリンが最も多く分泌されるのは夜間の睡眠中

 

一日のうち、インスリンが最も多く分泌されるのは夜間の睡眠中です。

血糖値は一日を通して常に変動しています。

 

夜中から朝にかけて血糖値を上昇させる成長ホルモンなどが分泌されるので、血中濃度も変化するからです。

 

なので夜間の睡眠中に血中濃度を保つため、血糖を下げるインスリンの分泌量も増えることなります。

 

従って、睡眠がしっかりとれていないとインスリンの分泌量自体も低下するわけです。


実際に、質の良い睡眠を取っている人は糖尿病の発症が少いにも関わらず、睡眠時無呼吸症候群をはじめ、不眠症など何らかの睡眠障害に悩む人は糖尿病の発症率が高いことが指摘されています。


増え続ける糖尿病患者数

糖尿病と疑われる人の数は約1,000万人近くにも達しています
画像引用:https://goo.gl/W64egJ


糖尿病は、血液中の糖分=血糖値が異常に高くなる病気で、代表的な生活習慣病一つです。


この数十年余り国内の糖尿病患者は増え続けています。

図からも分かるように糖尿病と疑われる人の数は約1,000万人近くにも達しています。


糖尿病は、加齢や遺伝を除き、「肥満と運動不足」などの生活習慣が大きな原因と考えられておりますが、実は「睡眠」とも大きく関わってくるのです。

糖尿病の仕組みと種類

血液中の糖分は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって、糖代謝が行われます


健康な人の場合、血液中の糖分は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって、糖代謝が行われ体の細胞のエネルギーとなります。


しかし、何らかの原因でインスリンが不足したり、インスリンの働きが不十分になると、糖代謝が滞るようになります。


すると、細胞に吸収されなかったぶどう糖が血液中に増えすぎてしまい、慢性的に血糖が高くなり糖尿病を発症します。


肥満やメタボなどの食生活や運動不足などが関連する生活習慣病として扱われるのは、2型糖尿病
糖尿病には1型と2型がありますが、1型糖尿病は、自己免疫やウィルスなどが原因でインスリンの分泌ができなくなるもので、多くの場合は若い頃に発症します。


肥満やメタボなどの食生活や運動不足などが関連する生活習慣病として扱われるのは、2型糖尿病です。


現在糖尿病患者の約95%は2型糖尿病です。


インスリンと糖尿病の関係

<睡眠時無呼吸症と糖尿病の関係>

睡眠時無呼吸症と糖尿病の関係
糖尿病の原因の一つに肥満が上げられますが、肥満は、睡眠時無呼吸症候群に対する大きなリスクとなります。


従って、睡眠時無呼吸症候群と肥満と糖尿病は密接に関わり合っているのです。

 

膵臓から分泌されるインスリンは、血糖を下げる働きを持つ唯一のホルモンです。


食事で血糖値が上がり、血液中の血糖の量が増えると膵臓よりインスリンが分泌され、血液によって全身に運ばれます。

 

血糖値が上がり、血液中の血糖の量が増えると膵臓よりインスリンが分泌され、血液によって全身に運ばれます
画像引用:https://goo.gl/XLtBh7


インスリンは血糖値を一定の範囲に保つ働きがありますが、血中に余分な糖分が増えすぎると、肝臓や脂肪細胞に取り込まれて中性脂肪に変えられてしまいます。これが、肥満の原因になるわけです。


これまで様々な機関の調査により、睡眠時の無呼吸や低呼吸により低酸素状態が続くとインスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性が高い)ことが分かってきました。

無呼吸はインスリンの働きを阻害する!?

睡眠時無呼吸症候群の重症度とインスリン抵抗性には大きな関わりがあり

 

睡眠時無呼吸症候群の重症度とインスリン抵抗性には大きな関わりがあり、欧米の研究では2型糖尿病患者のうち、無呼吸底呼吸指数(AHI)5以上だった人が、その約70%以上を占めたという結果が出ています。


無呼吸底呼吸指数
参照:睡眠時無呼吸症候群の診断基準

 


また、米シカゴ大学医療センターの研究者の調べによると

「糖尿病で睡眠の質が低下している患者では、睡眠が正常な患者に比べ、朝食前の血糖値が23%高く、空腹時インスリン値も48%高かった。また、糖尿病患者の中でも、睡眠の質が低下している人では正常な人に比べ、インスリン抵抗性が82%高くなっていることが分かった。」


と報告されています。また、


「糖尿病のある人での睡眠の質の低下は、血糖コントロールの悪化に関連しているという結果になった。
糖尿病を発症した患者で、睡眠時無呼吸や不眠などがある人では、睡眠を改善する治療を行うことが、糖尿病の治療に良好な影響をもたらす可能性がある。」


と指摘しています。

文章引用:https://goo.gl/UeB8hg


睡眠の質の低下が糖尿病のリスクを高める

睡眠時無呼吸症候群や入眠障害などなんらかの睡眠障害を持つ人の場合、糖尿病の発症率が高くなる


さらに、質の良い十分な睡眠を取っている人は糖尿病の発症が少なく、睡眠時無呼吸症候群や入眠障害などなんらかの睡眠障害を持つ人の場合、糖尿病の発症率が高くなることも明らかになってきました。


また、インスリンのみならず、十分な睡眠が取れていないと成長ホルモンの分泌も阻害されます。


そうなると新陳代謝を活発に行われず、体重を減少させ難くなってしまいます。

睡眠障害によってインスリン抵抗性が増して高血糖が引き起こされ糖尿病を発症するのか、逆に高血糖が睡眠障害を引き起こすのかまだまだ解明の余地はあるようです。


ただ、直接的にも間接的にも、睡眠時無呼吸症候群が糖尿病・肥満と深い関係にあることは事実です。


睡眠不足や睡眠の質の低下は、肥満にも糖尿病にも百害あって一利なしです。

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