シーパップに比べて手軽なマウスピース治療は、睡眠時無呼吸症やいびきの防止に本当に効果的なのでしょうか?

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マウスピース治療は睡眠時無呼吸症の防止に本当に効果的か?

スリープスプリントとは専用のマウスピース

 

睡眠時無呼吸症の症状がそれほど重度でないなら、スリープスプリントという口腔内装具を使ってみる選択肢もあります。


スリープスプリントとは、専用のマウスピースのことです。


私も病院の先生から、睡眠時無呼吸症治療のひとつとして、マウスピース治療があることを教えてもらいました。

専用マウスピースで下顎の位置を変えて気道を確保する

マウスピースが睡眠時無呼吸症候群の治療になる理由は、下顎の位置が変わるところにポイントがあります。


専用マウスピースは、スポーツ選手が使用されているものと異なり、下顎を前方に数mm突き出してかみ合わすような特殊なタイプになります。


専用マウスピース
画像引用:https://goo.gl/FQuSqg


マウスピースを口に入れて下顎を前方に出すと、舌の位置が上がり、舌の根の部分が気道へ落ち込むことを防ぎます


すると、気道が確保されるので、呼吸がしやすくなり、いびきや無呼吸の防止に効果があるというわけです。


また、口呼吸を無くし、鼻呼吸のトレーニングにもなるというメリットもあります。(※上下が一体型のマウスピースの場合)


マウスピース治療の一番のメリットは手軽さ!

マウスピース治療の一番のメリットは手軽さ

 

マウスピース治療法のいちばんのメリットは、口の中に装着するだけという手軽さにあります。


CPAP(シーパップ)に比べて使い方が簡単ですし、外科治療のような体への負担も少ないので、長期間にわたり使用できるといえます。


私のようにCPAPがうっとうしくて寝れない人などには、向いているのかもしれません。


また、旅行先や出張時などの持ち運びにも便利ですし、CPAP治療が困難なときにマウスピースをつけて眠るなど併用するケースもあるようです。


ただし、以下のような症状がある場合は、マウスピース治療が適用できないことがあるとのこと。

 

【マウスピース治療が適用できない場合】

・歯の本数が少ない人

・歯の状態が悪い人

・顎の関節に痛みや障害のある人

・鼻炎やアレルギーなど慢性的に鼻づまりがある人

・咽頭の肥大が激しい人


さらに、重度の睡眠時無呼吸症の人は、あまり効果が期待できないという専門家もいます。

睡眠時無呼吸症用のマウスピース制作はどのくらい費用がかかる?

健康保険

 

マウスピースは、患者一人一人の歯形をとり、上下の噛み合わせを調整してつくられます。

なので最初はやはり、時間とコストがある程度かかります。


もし作るのであれば、睡眠障害の専門医と連携のある実績ある歯科医師につくってもらうのがベターだと思います。


CPAPと同様に、睡眠時無呼吸症と診断されるとマウスピースの作成も健康保険適用となります。


上下がつながっていて口が開かないタイプのマウスピース

 

標準タイプのものなら、1万円から2万円の自己負担で作れます。


ただし、保険適用のマウスピースは一般的に上下がつながっていて口が開かないタイプになります。

 

さらに、調整には費用がかかりますし、定期的な通院費用もプラスして考えなければなりません。


ちなみに、医師からの紹介状がないと保険適応外になるので、費用負担はもっと高くなります


睡眠時無呼吸症におけるマウスピース治療の流れ

歯状態をチェック〜上下の歯形を取る

レントゲン撮影

 

睡眠の状態の検査が済み、マウスピース治療を選択した後に、歯科を受診することになります。


歯科医師は、無呼吸症の結果をもとに患者への病状説明、カウンセリング、検査、型取り、レントゲンなどを実施して作成していきます。


歯科では、まず歯の状態のチェックを行います。


なぜなら、マウスピースを装着するためには、歯の状態が正常であることが必要不可欠です。


歯周病や虫歯がある場合は、正確な型取りの障害となるので、歯の治療を優先させます。


その後に上下の歯形を取って、最適な顎の位置を設定します。

 

完成したマウスピースを睡眠中に装着して試す

いびきや無呼吸の改善がみられたか、本人への問診

 

マウスピースの完成後は、実際に睡眠中にマウスピースを使って寝ることになります。


使い始めてしばらく経ったら、朝まで装着できているか、不具合がないかなどの使用状況をチェックします。


また、いびきや無呼吸の改善がみられたか、本人への問診や家族の意見などをもとに確認します。


最初は、違和感を感じるそうですが、普通は徐々に慣れていくそうです。


マウスピースを装着した状態で再び睡眠ポりグラフ検査

睡眠ポりグラフ検査
使用状況が確認できた後は、マウスピースを装着した状態で治療効果をチェックします。


正確を期すためには、再び睡眠ポりグラフ検査を行い、治療前のデータとの比較を行う必要があります
ただ、睡眠ポりグラフ検査をまた実施しなければならない考えると、マウスピース治療は私にとって結構ハードル高いですね。


定期的な受診が必要

マウスピースと歯の状態を定期的にチェックします。


マウスピースは精密につくられているため、わずかなずれが違和感を抱かせることがあります

従って、定期的な受診が必要になります。


マウスピース治療によるメリット・デメリット

マウスピース治療によるメリット

・使い方が簡単

・持ち運びに便利

・体への負担が比較的少ない

・保険適用で費用が比較的安い


マウスピース治療によるメリット


マウスピース治療によるデメリット

・顎の痛みや違和感がある

・奥歯などに負荷がかかり痛くなる

・違和感のため継続しない

・長期の使用は歯が移動する恐れがある

マウスピース治療によるデメリット

睡眠中に無意識にマウスピースを外してしまう場合も!

睡眠中にマウスピースを外してしまう

 

マウスピースは下のあごを前方に出した状態で作りますが、このとき顎を前に出しすぎた状態でつくると装着時の不快感が強くなります。


すると、長時間装着することが出来なくなり、睡眠中にマウスピースを外してしまうこともあるそうです


そもそもの違和感のために寝つきが悪くなるなど、本末転倒な結果も!


きついと違和感がありますし、緩すぎるともちろん外れます

また健康保険では、一ヵ月にできる調整回数が限られています。


従って、調整が上手くいかなかったり作り直したりする費用が馬鹿にならないのも悩ましいところです。

 

マウスピース治療は人によって向き不向きがある

マウスピース

 

マウスピースは、CPAPよりは手軽で「負担が軽い」治療方法に思えますが、人によって向き不向きがあります


もちろん、うまく治療出来ている人や、睡眠が改善された人も多いと思います。


しかし、マウスピース装着の違和感に悩む方や、時間の経過とともにいびきや無呼吸症がぶり返すこともあるようです。


いびきや無呼吸症がぶり返す


なので、定期的なメンテナンスが必要な長期的治療だと割り切らないといけませんよね。


CPAP同様に、マウスピースを使っている寝ている際は呼吸がしやすいですが、外せばもとに戻ります。


従って、マウスピースも抜本的な解決策ではない対症療法にすぎず、効果は一時的と言えるかもしれません


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